指示待ち状態への経緯



雇われの流しの大工である。これまで自己流で仕事をし、そこそこの評価を得てきた。ひょんなことから知り合いの口利きで仕事を請け負った。


施主と現場監督の打合せに参加し、仕事を任される。元来独自工法で仕事をしてきたので、使う釘の寸法が現場監督の意に沿わなかったり、釘を打つ位置や打ち込む角度も「それは違う」と言われる。同じことが繰り返されて、作業のやり直しが続いたため、大工は監督の指示があるまで、自分の判断で仕事を行わないことにした。


長いものには、巻かれたふりをする。